障害児者の親が集まるオンライン・コミュニティ「チーム☆チャレンジ」の内木です。
2023年9月7日に、チーム☆チャレンジの仲間と共に、特例子会社に会社見学に伺いました。
東京都中央区にある「株式会社サンキュウ・ウィズ」さんです。
※ 特例子会社とは、障害者雇用を目的とした企業です。
サンキュウ・ウィズとは…
山九(さんきゅう)グループの特例子会社です。
2023年4月時点で76名の障害者を雇用されていて、東京都中央区、福岡県北九州市、長崎県平戸市に事業所があります。
多くの企業は身体に障害のある方を多めに採用されますが、サンキュウ・ウィズさんは精神に障害をもつ方が約半数を占めている稀有な企業です。
清掃業務や社内カフェ、メール集配、PCキッティングなど業務が多岐にわたっている為、1人1人の適正にあわせた業務をご提供されています。
会社見学で拝見した事
1)会議室清掃をされている方々
本社に到着し、カフェで飲み物を購入後、私たちは会議室でオリエンテーション動画の拝見やお話しを伺っていたのですが、しばらくしたら会議室清掃をされている方々がご入室くださり、実際のお仕事っぷりを見せてくださいました。
ブラインドを綺麗にする方、ホワイトボードのペンのインクチェックや清掃をする方、長机を綺麗にされる方、椅子やモニター、その他人が触る部分をふき取る方など、とても明確に役割分担がされていました。
1人の方はお仕事の詳細をプレゼンしてくださったのですが、とても明瞭でわかりやすく、「きっとたくさん練習をされたのだろうなぁ」と想像するだけで胸にこみあげてくるものがありました。
2)カフェで働く方々
カフェで働く方の中からお1人が代表で来てくださり、カフェ業務の内容についてのプレゼンをしてくださいました。
カフェ業務の中には、ケーキの製造(サンキュウ・ウィズの社員さんが、本社でケーキの製造もされているのです!)や在庫の管理、営業終了後の清掃など接客以外にも多岐に渡っているとの事。
しかも、カフェで働く全員が、なんと「カフェ検定」をお持ちなのです!
互いに助け合いながら、一生懸命勉強して取得されたのでしょうね。
お話ししてくださった方のイキイキとした表情と、エプロンに付いてあるカフェ検定のバッヂがとても誇らしげでした。
3)床掃除をされている方々
サンキュウ・ウィズさんは親会社の山九ビルの中にあり、社員食堂の床の清掃を任されているとの事。
実際にお仕事風景を拝見しましたが、「はい、じゃあ仕事して」の一言ですぐに仕事に取り掛かり、重度の障害がある方もご自身の役割を把握した上で黙々とお掃除されていました。
社員食堂は最上階にある為、いくら室内とは言え、日差しの強い日も暑い日もあるでしょう。
あまり人がやりたがらない物を掃除しなくてはいけない時もあるとの事ですが、それでも常に黙々とお仕事をされているとの事。
ご案内くださった部長さんの、「本当に頭の下がる思いです」の一言に、私が泣きそうになってしまいました。
まとめの感想
実は私、20代の時に法人向けの飛び込み営業をやっていましたので、「社内の雰囲気」にとても敏感です。
1歩会社に足を踏み入れただけでわかるのです。
その企業の社内コミュニケーションがどれだけ取れているかや、社員同士の信頼関係は、目に見えなくても肌で感じる事ができます。
そんな私が山九本社に初めてお伺いした時、まるでギスギスした雰囲気がなく、相手に威圧感を与えるような緊張感もなく、とても心地よく感じたのを不思議に思いました。
山九さんのような大きな会社でこの雰囲気は、とても珍しいのです。
そしてこの度、サンキュウ・ウィズさんで働く方々のお仕事を拝見し、彼ら・彼女らの存在は間違いなく大きいと実感しました。
例えば、山九ビルはまるでホテルのようにキレイなのですが、その清掃を担っているのが、障害のある方々です。
列をなす程大人気のカフェは社員さんの憩いの場でもあり、会議室よりもリラックスして打合せできる場でもあります。その場を手掛けられているのも、サンキュウ・ウィズの方々です。
そう、つまり、サンキュウ・ウィズで働く方々は、ただの清掃員やカフェ店員ではなく、山九本社ビルの心地よい空間を作っている方々なのです!
ビル全体の空間を作るなんて、障害の有無に関わらずなかなかできる事ではありません。
しかしきっと、サンキュウ・ウィズの皆さんの「働ける幸せ」が、このように感じさせてくれたのだと思います。
今回の機会を作って下さったサンキュウ・ウィズの皆様に、この場を借りて心から御礼申し上げます。
この度は本当にありがとうございました。
↑カフェ前のゴミ1つ落ちていない心地よい空間。
↑まるでホテルのようにキレイな本社ロビー。清掃担当はもちろん、サンキュウ・ウィズのみなさん。