障害児者の親が考える「飲食店からいただけると嬉しいご配慮」

こんにちは、チーム☆チャレンジ(T☆C)の内木です。

T☆Cは障害児者の保護者を集めたオンライン・コミュニティです。

2024年5月の時点で約350名が登録をされており、障害者家族の生の声を社会に届けるために、様々なアンケート調査を行っています。

 

この度は、「障害児者の親が考える、飲食店からいただけると嬉しいご配慮」に関する調査を行い、63名の声を集めました。

「障害者への配慮」と聞くとバリアフリーや多目的トイレなどを想像される方もいらっしゃるかと思いますが、それだけではありません。

さほどお金をかけずに、今日から始める事のできる配慮はたくさんあるのです。

障害者やその家族が本当に必要としている配慮が社会に届き、私たちも健常の方々と同じように、気軽に外食ができる日がくることを願っています。

※ 理美容室、宿泊施設、映画館(劇場)、フォトスタジオ、スーパー(ショッピングモール)、遊園地(公園)、プール(大衆浴場)に関する調査結果はこちら

 

1位 (スタッフ内での)障害のある人も来店する事への理解(52票)

2位 お客が席を選べる(43票)

3位 やさしい声掛け(33票)

4位 笑顔での対応(30票)

5位 (他のお客様に対して)障害のある人も来店する事への理解の呼びかけ(29票)

6位 子どもや障害者を歓迎する時間帯の導入(27票)

7位 残った料理を持ち帰れる箱の提供(23票)

8位 車いすでも余裕をもって入れるような広いスペース(22票)

※ 回答数63(複数回答可)

1位 (スタッフ内での)障害のある人も来店する事への理解(52票)

障害児者を連れて外出する際、一番つらいのが「周囲の目」です。

障害者が来たことに驚いたような目や、「何、あの子(人)」と見られる時の目です。

こちらが過剰に反応してしまっているという事もあるとは思いますが、「珍しい人」として見られるのは、やはりしんどいです。

もちろん、中にはフォークやスプーンを使わないで手で食べていたり、何らかの原因でパニックを起こしてしまうなど、驚くような光景を目にすることもあるかと思います。

しかし、それも障害の特性で、中には本人も親もとても困っているが、どうしようもできないものもたくさんあるのです…。

 

とは言え、事前に「障害者も来店する」という認識を持って下さることで、いざその場面に遭遇しても、さほど驚かなくて済むかもしれません。

ですので、これを機にそのような認識をお店で広めていただけるとありがたいです。

また、もし可能であれば「濡れティッシュを多めにお持ちしましょうか?」や「残ったお料理をお持ち帰りできますので、箱をお持ちしましょうか?」など、あたたかなお声がけをしていただけると大変大変嬉しいです。

(周りの方に明らかに迷惑になる行為は障害の有無に関わらずよろしくないですし、散らかしたものは片づけるなど、お客としてのマナーは守れるよう私たちも気を付けます。)

 

2位 お客が席を選べる(43票)

障害児者を連れている人の中には、他のお客様へのご迷惑を考慮し、離れた席や周りから見えにくいテーブルを好む方もいます。

一方で、子どもからひと時も目を話すことができないという理由から、ドリンクバーやトイレに近い席を希望する方もいます。

車いすユーザーや体が不自由な方は、段差のないテーブル席を好む事もあるでしょう。

このように、障害者といっても様々で、どのような席(テーブル)を希望するかは人それぞれです。

とは言え大前提として、「お店や他のお客様にご迷惑をかけたくない」という気持ちは皆持っています。

ですので、「こちらのテーブルにどうぞ」ではなく、「お好きな席にどうぞ」と私たちにテーブルを選ぶ自由を与えていただけると、大変ありがたいです。

 

5位 (他のお客様に対して)障害のある人も来店する事への理解の呼びかけ(29票)

1位の「(スタッフ内での)障害のある人も来店する事への理解」に似てますが、少し異なります。

こちらは、他のお客様への周知です。

どんなにお店の方が理解を示してくださったとしても、周りのお客様にご迷惑でないかと、気が気でない時も多々あります。

あくまでも1つのアイデアですが、例えばこのようなポスターを店内に貼るなどしていただけますと、焦らず、あたたかな気持ちでお食事をいただく事ができます。

(しかも、このようなメッセージを出してくださるお店には、障害のないお客様もファンになるはずです!)

 

6位 子どもや障害者を歓迎する時間帯の導入(27票)

時間帯によって障害者の入店を拒否する事は、不当な差別的扱いとして禁止されています。

また、「次は空いている時間にお越しください」のようなお声がけですと、(そのような意図ではなかったとしても、)混んでいる時間には来てほしくない、のように捉えられてしまうかもしれません。

しかし、「14時~16時であれば、他のお客様を気にされずにゆっくりとお食事いただけると思いますので、ご都合があえばそのお時間帯もぜひ(笑顔)」のように、お客に対するやさしさが伝わる形でご提案いただけると、「また来ていいんだ!」と嬉しくなります。

このようなポスターや案内があっても、お店側の思いやりが誤解なく伝わると思います。

以上をまとめますと、私たち障害者家族にとって、一番ありがたいのが「あたたかなお気持ち」です。

3位の「やさしい声掛け」や4位の「笑顔での対応」のように、あたたかく迎えてくださるだけで十分です。

障害児者家族を代表して、これからもどうか長いお付き合いをよろしくお願いします。

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